ドライクリーニングが常識だと思っていたスーツ、でも家で洗濯することが可能だなんて嬉しくないですか?クリーニング店に持ち込んだり、引き取りに行く手間もいらないし、お金も節約できそう、何よりも汚れが気になった時にすぐキレイにすることができるんですから!
スーツは家で洗濯できる!でもその方法を間違ったら大変なことになってしまうかも。正しく洗えば怖くない、自宅で自分でできるスーツの洗い方についてご紹介しましょう。
目次
スーツの洗濯表示の種類
スーツを自宅で洗濯することは可能なのですが、どんなスーツでもOKではないんですね。洗えるスーツと洗えないスーツがあるので、まず洗濯表示をチェックしてみましょう。洗濯表示はスーツについているタグで確認することができます。
ウォッシャブルスーツ
紳士服・スーツのお店のCMで、こんなスーツの紹介を見たことがあるのではないでしょうか。自宅で水洗い、それも洗濯機で洗うことができるというウォッシャブルスーツ、このスーツのタグには洗濯機で洗うことができると表示されています。ただし、ネットを使用するようにという表示もあるので、そのまま洗濯機に入れてガラガラ回してはいけません。
また、ウォッシャブルスーツの場合は、洗濯の方法以外にも強く絞らないこと、乾燥機を使用しないこと、干し方などの指示も表示されていますから、それらを守って正しく洗うことが必要です。
水洗い可
自宅でスーツを洗うには、水洗い可能であることが条件です。現在の洗濯表示で水洗いが可能かどうかは、水の入った容器のようなマークに注目です。その中央に数字が表示されていれば、その温度を限度とした液温で洗濯機洗いが可能だということです。
その容器に突っ込んだ手が表示されていれば、洗濯機ではなく手洗いでの洗濯が可能だということ。手洗いの表示があるのに、面倒だからと洗濯機を使用するのはNGですよ。
水洗い不可
洗濯表示の容器マークに×があれば、家庭での洗濯禁止、つまり水洗いが不可ということです。
洗う時の注意点
水洗い可能なスーツ、しかも洗濯機で洗うことが可能なスーツだといっても、普通の衣類のように洗っては型崩れを起こしたり生地を傷めてしまうことも。自宅でスーツを洗う時の注意点についてご説明します。
ほつれや穴あきの確認
洗いたいスーツに、ほつれや穴あきがないか確認しましょう。
もしスーツにほつれや穴があいていたら、そのまま洗濯すれば傷んだ部分がさらに広がってしまう可能性があります。補修すれば大丈夫かもしれませんが、ビジネスや大切なシーンで着用するスーツですから、素人が直すのは避けた方が良いかもしれません。
クリーニング店では、クリーニングと同時にほつれや穴あきを補修してくれるサービスもあるので、ダメージのあるスーツならクリーニング店にお願いするのがオススメです。
また、ほつれや穴あき以外にもポケットの中身も確認しておきましょう。ティッシュなど紙類が入ったまま洗濯すれば大惨事に!ペンやキーなど硬いものを一緒に回してしまうと、生地を傷めてしまう恐れがありますよ。
洗濯取り扱い表示の確認
先ほど説明した洗濯表示を参考に、洗いたいスーツの洗濯表示を確認し、水洗い(洗濯or手洗い)が可能であることを確認してから洗いましょう。
色落ちしないかのテスト
いくら水洗い可能だといっても、生地によっては色落ちしてしまうこともあります。いきなり洗ってしまうのではなく、まず色落ちしないかテストしてからにしましょう。スーツを洗うために使う洗剤の原液をティッシュなどに少量とり、目立たない裏側などに当ててそのままティッシュを外さず5分程度待ちます。5分後、ティッシュに色がついていなければ、色落ちの心配がないので洗ってOKです。
上下いっしょに洗う
汚れたのがジャケットだけ、あるいはパンツorスカートだけだと、汚れが気にならない方は洗濯しなくても良いかなと思いますよね。でも、どちらか一方だけを洗ってしまうと、色に違いが出てスーツに見えなくなるかも?別々に洗うことは避けて、上下いっしょに洗うようにしましょう。
洗濯機で洗濯する方法
本当にスーツを洗濯機で洗うことができるのか!初めて自宅で洗うのなら、ちょっとドキドキしますよね。失敗しないために、洗濯機での正しい洗濯の方法をご紹介します。
用意するもの
洗剤
これはデリケートな衣類を安心して洗うことができる、「おしゃれ着用」を用意しましょう。手に入れることが可能なら、専門店のスーツ用洗濯洗剤を使うと安心ですね。
洗濯ネット
小さなネットに無理やり詰め込むのではなく、スーツがすっぽり入る大判サイズを用意しましょう。でも、余裕がありすぎるサイズだと中でスーツが動いてしまい、シワの原因になるので注意してくださいね。
スーツをたたむ
洗濯ネットに入れて洗濯しますが、適当に詰め込むのではなく型崩れを防ぐためたたんで入れるようにします。ジャケットのボタンははずしますが、パンツの方はボタンやファスナーは閉め、それぞれ2つ折りか3つ折りにして入れます。きっちりたたむのではなく、ふわっとたたみましょう。
洗濯の手順
1.汚れやシミがある箇所をチェックする
汚れやシミは落ちにくいので、見つけたら洗剤を少量なじませておきます。
2.スーツをたたむ
3.洗濯ネットに入れる
4.洗剤を入れ手洗いコースやドライコースで洗う
標準コースではなく、デリケートな衣類を洗う手洗いコースやドライコースなどを選びます。
手洗いする方法
洗濯機ではなく、手洗いする場合についてご説明します。
用意するもの
●洗剤
●洗いおけ
洗剤は、洗濯機で洗う時と同じように、おしゃれ着洗い用を用意します。手洗いの場合は洗濯ネットが不要ですが、乱暴に扱わずやさしく洗ってください。
洗濯の手順
1.汚れやシミがある箇所やポケットの中身を確認
2.スーツをたたむ
3.水を溜めた洗いおけに洗剤を溶かす
4.やさしく押し洗いする
5.10~15分つけおきする
6.押し洗いするようにすすぎを数回
干し方のポイントと注意点
干す時も普通のハンガーではなく、型崩れしないようジャケット用の太めのハンガーを使います。パンツやスカートは筒状に干すためにピンチハンガーを使います。
乾かし方
洗濯機洗いでも手洗いでも、洗濯が終わったらすぐに干すようにします。型崩れや生地の傷みを避けるために、洗濯機での脱水は行わないか極力短時間にしましょう。脱水時間は30秒以内で、手でしぼって水を切るのも避け、洗濯機の脱水を使用しないのならタオルドライして水気を取りましょう。
干す場所としては、直射日光を避け風通しの良い日陰につるしておきます。乾くまでしっかりと干しましょう。
アイロンがけ
正しくネットに入れて洗濯機での脱水を避ければ、シワになるのを防ぐことができます。でも、やっぱりシワになってしまうこともありますよね。そういう時はアイロンをかけますが、スーツの場合はスチームアイロンにし、生地にアイロンを直接押し当てず、当て布を当ててアイロンがけします。
まとめ
スーツを家で洗濯するのは可能ですが、一般の衣類よりもデリケートなので注意する点がいくつかありました。
・水洗いできるのか洗濯表示を確認する
・洗剤はおしゃれ着洗いかスーツ用洗剤を使用
・汚れやシミ、ポケットの中身を確認してから
・洗濯機で洗うならネットを使用
・洗濯機、手洗いともにたたんでから洗濯する
・脱水機はなるべくさける
・乾燥は風通しのよい場所で陰干し
などです。これらを守れば自宅でもダメージを抑えて洗濯することができ、汚れが気になった時でもすぐにキレイにすることができますね。でも、水洗いできないスーツはもちろんのこと、よりデリケートな素材で作られているスーツの場合も、無理せずクリーニング店にお願いすることをオススメします。